神戸とんぼについて

  • 創業の歴史

    「 神戸 とんぼ 」について

    2013年、和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたが、正確に言えば、「和食:日本人の伝統的な食文化」つまり日本人の精神を表したもの。「和食をめぐる文化」その文化と継承を図るのがユネスコの無形文化遺産登録の真の意図と言われている。 今回「とんぼ」の空間デザインを手がけたデザイナーは作品出展でミラノ、パリなどヨーロッパへ出向くたびに世界から見た日本の「伝統文化、技術、伝統工藝」を、そして日本人ならではの「美意識、美的感覚」を改めて実感し、この文化、この技術を継承するべく手段を試行錯誤していた。 一方「とんぼ」店主も、自分が創る料理を日本文化を見せる手だてとしてアプローチしたい、そして日本だけでなく世界の人たちをもてなしたい、魅了したいと考えていた。 そのデザイナーと店主両者の思いは、空間と料理とを五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)で感じさせる。日本の良きものを伝承させる、その思いが重なり実現することとなった。 その地は神戸。「TBJインテリアデザイン建築事務所」がデザインとトータルプロデュースを、そして工事は古民家改修での継承技術を誇る「東播建築工藝」が行うことになった。また陶磁器販売から卸売業を行っている300年以上の歴史を持つ「今村産業」(創業1684年)、そして同じく17世紀初期に起源し、300年に及ぶ歴史を持つ“大阪欄間”の伝統技法を守り、継承し続け、最近ではその欄間工藝はスターバックスなどにもその技法が認められ、活躍の場を持っている「岡本銘木店」が協賛協力に手を挙げてくださった。 また丹波のアーティスト丹文窯 大西雅文氏は店主の食へこだわり、そしてこの「神戸とんぼ」の伝統文化を伝える空間への思いを共有してくれた一人であり、作陶した作品で今回の店づくりが出来上がった。 「神戸とんぼ」 は、まさしく伝統工藝と歴史を持つ会社、そして店主の熱い思いが集結した「作品」となったのである。

    店主 / 濱里誠

    空間デザイン・プロデュース /

    TBJインテリアデザイン建築事務所 http://www.tbj-design.jp

    施工/ 東播建築工藝株式会社 http://toban.co.jp

    協賛/ 今村産業株式会社 https://himeji-imamura.com 

    協賛/ 株式会社岡本銘木店 https://www.okamei.co.jp 

    協賛/ 丹波焼窯元 丹文窯  http://tanbungama.com

鉄板料理のこだわり Committed to Teppanyaki quality

  • Traditional Japanese culture “Dashi “ 日本の食文化「出汁」。 

    だしにこだわり、月ごとに異なる旬の材料でベースの出汁のテーマを定め、その出汁を使い 前菜からメイン、〆に至るまでその出汁をベースに繰り広げる創作鉄板焼き料理。

    前菜を含めどの料理にも鉄板を通した調理を一貫して行い、創作鉄板料理を通して得られる旨味を引き出している。

    化学調味料はもちろん、調理においては塩を一切使わず、シェフの料理は全て素材の旨味を引き立たせている。

    それゆえに仕込みの苦労と手間をも共に味わえる。

    食に合うドリンクのセレクトも素晴らしい。 

    ノンアルコール、アルコール共に料理に合うドリンクを提供する。

    一つ一つの器にもこだわり、丹波、清水、有田焼きの美しい食器をセレクトし目でも愉しめる一品一品に。

    シェフ自らが歩き回り毎回セレクトしている食材にもこだわりがある。

建築空間のこだわり Committed to Interior design quality

  • [ファサード/ façade ] Katagami lamp /Shop plate

    型紙和紙で彫られた「神戸とんぼ」の表札 。

    この型紙和紙は豊臣秀吉時代から続く兵庫県三木城下町の伝統工藝で着物などを染めるための型紙である。

    当時は京都を中心に全国に納められいた。 現在途絶えかけていた播磨型紙を危惧して、伝統継承出来ないかと代表北村がパリデザインウィーク出展を起に、東播建築工藝の選抜メンバーにより三木型紙工藝職人に師事。

    この型紙も弊社のスタッフが実際に刻んだ。

    Tobira

    ファサードは一枚板を使った桐を使用。 通常この大きさの扉の無垢板だと重すぎるが桐は軽く桐ダンスなどにも使われている木。 桐ダンスは防火性にも富み、安心感を提供する特徴がある。 (火事になっても桐ダンスの中の着物は守られたという話は良く聞くのはそのため)

    Kotobira et Key number

    この横の小さな扉もこの木からとった桐で造られており、このなかにはセキュリティーが埋め込まれている。予約ゲストには本日のナンバーが伝えられ、その番号を押して開けるシステム。 この小扉を開け、入力しアテンドした大切なゲストの高揚感も引きたてられる演出。  

    Texture

    外部の壁は京土を使用。(下塗りはジョリパという40年の技術をもつ水や割れに強い素材) 藁スサ富配合とし外壁ならがら天然素材質感を感じさせるようにした。

  • ENTRANCE 

    扉を開けると京小路をイメージした通路。 石は弊社が坪庭に採用していた美しい厚さ50ミリの切石。職人が手作業で角を押さえた手仕事が窺える。 (これだけの厚みをあえて沈めたのは車椅子でも通れるようにというマスターの要望があり、デザイナーもハッとした優しさである。この石を採用した坪庭がフランスの雑誌の表紙に掲載された美しい石である。) 床は京都でよく目にする炭モルタル仕上げ。炭を豊富に入れ空間を引き締めた。

    Chigai -tana for Display                         

    通路にある飾り棚は、床の間にある違い棚をイメージして造られている。棚にも日本のイメージを演出。違い棚には日本の伝統工藝がお土産として販売展示されている。

    CHASHITSU / Private compartment                   

    茶室イメージの個室 半円の鴨居、枠ではなく京土(きょうつち)にて塗りこまれた壁、太鼓貼りの障子は来る客人を優しく迎え入れたいという想いから。 小説家 谷崎潤一郎の著書"陰影礼讃"では、障子からの光、赤が日本古来の色として書かれている。   

    Shoji

    入り口扉及び使用時の窓は、日本和紙太鼓貼り障子から濾過される美しい光を演出。

    Tatami

    倉敷の畳屋がつくる日本紅柄の畳を採用。赤は神戸とんぼのイメージカラーでもあり、アート茶室となった 。

    Tokonoma & Fusuma

    床には漆調仕上げの粋床(すいしょう)と呼ばれる床を採用。近代床を造るのに弊社が10年以上前から使っている材。展示される時などの作品が床に写り込み、幻想的に魅せることが出来る。本格的な茶室に使われる赤杉の床柱、収納には兵庫杉原和紙、正面には人気作家の和紙を美術的に使っている。 エアコン吹き出し口も"おさ欄間"が使用され細部までこだわった。 透し彫りの鳳凰の欄間の対の一羽がここにも展示されている。

    東洋の神秘性を表現したアートな茶室をイメージして造られた。

  • Front & Bar counter

    客席に向かい目に飛び込んで来るのは、朱色の名栗(なぐり)のサービスカウンター 日本伝統工藝"名栗"という技法で作られ漆で仕上げられている。 “名栗キッチン”という名で2016年パリデザインウィークに出展され、同年京都にてミラノ/パリ デザインウィークの帰国展が行われた際、最優秀賞アワードを受賞した作品。 この年のPari design week - Japan Design Now のテーマが陰影礼讃’’であった。 天板には水に強い美しい檜を、鉋仕上げで造られていた フランスでは販売されなかったためデザイナーが一旦は日本に持ち帰り、時を経て、ここ神戸とんぼに飾られることとなったパリと神戸を結んだ作品である。

    Display Wall

    季節ごとにアーティスト作家の作品が展示できる壁面を準備。 今回は欄間が飾られている。 神代杉と言う1000年以上地中に眠っていた貴重な素材で作られたものであり当時は3,000,000円で取引されていた商品でもある。 奥は2寸欄間、迫力のある松の木。

    Katagami Lamp

    フードを隠すように垂れ壁に飾られている型紙和紙。 手前の高砂松はパリーメゾンエオブジェでは1番人気だった。 これらは全て秀吉の時代から続く三木型紙のオリジナルの柄であり日本らしいこの小紋柄を飾りの明かりとして使用した。

    Sukashibori Ranma  

    カウンター席に座して目に付くのは、透し彫り欄間。 大臣認定伝統工藝士が造った美しい作品であり、透し彫という技法で、透かされた光が客席側へと漏れるような演出を施し、料理人の手元灯としても使用できるようにした。 この欄間は桐で作られていたため、両側に設けられた食器入れは入り口扉からとられた同じ桐の材で造られた家具である。

    Main Counter  

    カウンターの材は地松という希少な材であり、樹齢200年の木である一枚板に鉄板をくりぬいたイメージで造られた。 天板だけでなくサイドの耳と呼ばれる部分にも鉋で仕上げられており、職人のこだわりが詰まった天板である。

    Kozai Bari

    マンション一階部分のため目立っていたコンクリート梁を古材で包んだ。 古材梁をそのまま使ったようなイメージであるが、今回フランスの雑誌で紹介された古民家再生の際に使われた技法でコンクリートの梁をこの古材梁で包んでいる。

    Texture / interior           

    全体的に京土で仕上げ、直接触り目にする部分は全体を自然素材で仕上げることにより、空間に落ち着きを与えている

    Cokking counter                           

    客席側から見える厨房側カウンターは節の全くない銘木杉の一枚板で仕上げられている。 ワイド4m超えの一枚の大きなまな板をイメージした。

    Cutting Board MANAITA  

    実際のまな板は日本の桜の木を使用。 超鉋仕上げで、写り込みがあるほど光沢を放っている。 ワイド1200mmの迫力。

    Fujiyama Kitchen knife stand                    

    包丁台のテーマは"いただき" フジヤマイメージの頂点を目指す包丁台である。カウンターの松材を使用。

    Shigarakiyaki / Sanitaryware&Counter

    洗面所は、信楽焼きの陶器を使用。特許を取得した焼物でありながら独自が光る陶器である。信楽の土に注目し、弊社デザイナーのパリ出展仲間が開発した商品。日本の伝統工藝の作品賞他ドイツでも賞を受賞した逸品。カウンターは東播建築工藝の職人が製作。

    Shikkoku Firewall -Japanese Edition

    英国生まれの日本特別仕様。1854年から続く歴史あるストーブメーカーESSE社製。漆黒で漆仕上げをイメージさせる、古民家でも調和する英国と日本の共同制作である。

    Theme - In Praise of Shadows

    陰影礼賛と言うテーマで、日本の美しい伝統や素材や色で全体的にまとめた美空間である。